空き家問題の現状と事例に学ぶ具体的な対策【2017最新版】

空き家問題2017年の現状と事例に学ぶ具体的な対策について

近年、空き家の増加がニュース番組などで取り上げられるようになり、空き家問題について一般の人の知名度もあがっていきました。

空き家が増える原因は、人口の減少や地方から都市部に移り住む人が増加していること、地方の不動産を相続したが、そのまま放置している人が増えてきたなど、様々な原因があります。

これからも空き家が増えていくことが懸念されており、さらに問題が深刻になると言われています。

今回は空き家問題の現状や対策について解説していきます。

空き家問題について

一口に空き家といっても実は4つの種類に分けられています。

・二次的住宅:住んではいないが使われている住宅
・賃貸用住宅:借り手がいなくて現状空き家の住宅
・売却用住宅:仲介などで売却活動を進めているが、売れていない住宅
・その他:ほとんど使われていない用途不明の住宅

この中で空き家問題として分類されるのが「その他」にあたる住宅です。
空き家の調査は5年ごとに総務省統計局が、住宅と土地の統計調査を公表しています。

最新の平成25年度の調査によると、全国の空き家数は820万戸となっており、空き家率が13.5%になりました。
これは空き家全体の約7戸に1戸が空き家であることを示しており、非常に高い割合であると言えます。

この統計調査は、行うたびに空き家の数と空き家率が右肩上がりで上昇しており、統計開始時の昭和38年と比較しても空き家の数は約16倍にも膨れ上がっています。

空き家の多い都道府県

空き家の多い都道府県と言われると、何となく地方を思いつく人も多いのではないでしょうか。
確かに地方では人口減少が囁かれており、空き家の数も多いイメージがあります。

しかし実は空き家の数が多いのは大都市のほうであり、東京都が約81万戸、大阪で約68万戸、神奈川県で約49万戸となっており、これに42万戸の愛知県を含めると、約240万戸にも及びます。
この数は空き家全体の約29%にも達し、地方よりも大都市の空き家問題が問題視されているのです。

一戸建て以外の空き家問題

空き家問題は何も一戸建ての住宅だけの問題ではありません。
株式会社東京カンテイの調査によると、2016年度調査のマンション化率が全国平均で12.31%、最もマンション化率の高い東京都では27%にも達しました。

現在、賃貸マンションの数は増加の一途を辿っており、これからさらに数を増やしていくでしょう。
しかし、将来的には世帯数は減少する傾向にあるので、このままでは賃貸マンションの空き家が増える懸念があります。

さらにマンションの場合は、戸建て住宅とは違う問題を抱えており、戸建てよりも問題の解消は難しいのです。

マンションの空き家の問題点

マンションは鉄骨やRC構造のものが多く、戸建てのように長期間放置したとしてお自然倒壊などは考えにくいものです。
さらに修繕積立金などで、定期的に修繕が行われています。

そのため、部分倒壊などで周りに被害を与える危険性は少ないのですが、老朽化したマンションは空き家の解消が難しいという特徴があります。
古いマンションはどんなに賃料や売買価格を安くしても避けられる傾向にあり、中々人が入居しにくい状態になります。

ならいっそのこと建替えをすればいいと思っても、建替えや除去にも大きな問題があります。
分譲マンションの場合、所有権を持っている権利者全体の4/5以上の多数決の賛成を必要とします。

建替えの場合は、費用の一部を権利者に負担してもらうケースもあり、それによって反対する人も少なくありません。
さらに、権利者総会を開こうとしても空き家の場合は、区分所有者を探さなければいけなくなり、もし空き家の理由が相続などの場合は相続人を探さなければなりません。

このように空き家が増えてしまったマンションの建て替えは、多くの問題があり、結局建替えも除外もできずに、廃墟になってしまうマンションも少なくありません。

空き家問題の原因とは

なぜ年々空き家が増えていくのでしょうか。
原因の一つとしては、世帯数が減っているのではと考える人もいるかと思います。

しかし実は、核家族化や単身世帯の増加から世帯数は右肩上がりで増えてきているのです。

国土交通省が5年ごとに調査し公表している「世帯数及び住宅戸数の推移」のデータでは平成25年時点で総世帯数は5245万世帯となっており、平成10年の調査よりも8000万世帯ほど増えています。
では、住宅の数はどうかというと、平成25年では約6万戸となっており、平成10年よりも1万戸以上増えています。

データを見てもらえれば分かるように、世帯数の増加以上に住宅が増えてきており、その結果空き家の増加に拍車をかけているのです。

平成10年 平成15年 平成20年 平成25年
総世帯数(単位:千) 44,360 47,255 49,973 52,453
住宅総数(単位:千) 50,246 53,891 57,586 60,629
戸数/世帯 1.13 1.14 1.15 1.16

やはり物件というものは新築で綺麗な住宅のほうが人気が高く、特に賃貸物件は古い木造よりもRCなどのキレイなマンションのほうが人気です。
近年では、収入面の少なさから中古住宅の需要も高まっていますが、それでも新築物件には負けてしまいます。

物件を仲介する不動産会社も、新築のほうが価格が高いので、利幅が大きく新築住宅を売ろうと必死になっています。
そのため新築住宅が増えていくのです。

何故古い住宅は解体されないのか

新築物件が増えていけば、自ずと古い物件の利用価値がなくなっていきます。
利用価値のなくなった物件は解体されるものですが、解体されていく物件というのは新築物件の増加に比べ、かなり少ないのです。

平成27年時では、新設住宅着工戸数が約92万戸なのに対し、滅失戸数は約11万戸と9倍近い差があります。
年々、新設住宅着工戸数と滅失戸数の差が広がって言っており、このままでは住宅が増えすぎてしまう可能性があります。

なぜ新築の住宅の増える数がここまで多いのかというと、戸建てを買収してその土地を割って2つの戸建てを建てたり、周りの土地も買収してマンションを建設するという事例が増えているからです。
また古い住宅が解体されない要因として経済的な理由が挙げられます。

現在では住宅が建っていない土地は固定資産税が増えてしまい、最大4.2倍にもなります。
さらに解体費用もタダではないので、無駄にお金を払って家を解体し税金が上がるのであれば解体しないで放置したほうがいい。と考える人が多いのです。

古い物件の場合は再建築が不可能な物件も少なくないため、解体しても何にも使えず、売ろうにも再建築不可能だから売れないというケースがあるため、解体をしたくないという人もいます。

空き家が増えることによる3つの問題点

このように空き家が増えていっており、今後も増加の一途を辿るでしょう。
しかし空き家が増えることの何が問題なのでしょうか

空き家が増えていっても自分には関係ないと思っていると、実は何らかの被害を受ける可能性があります。
それだけ空き家問題というのは深刻なのです。

1.周囲への被害

空き家問題で一番の問題点とされているのが周囲への被害です。
空き家というのは長年手入れや管理をされずに放置されると、当たり前ですが徐々に傷んできます。

長年放置されたことで、傷んだ家は次第に崩れていき、倒壊や壁や屋根などの欠片の飛散などといった事態が想定されます。
また人がいないことで植物が伸びきってしまったり、害虫が増えるなど周囲への悪影響も考えられます。

2.犯罪に使用される

空き家が増えると、不法侵入や不法占拠が増える可能性があります。
犯罪を行うための打ち合わせや取引などに使われる可能性があり、治安に悪影響を与えます。

さらに最近増えているのが、空き家への放火です。
古くなった木造住宅は燃えやすく、隣の家へ燃え移り被害が拡大することがほとんどです。

3.需要と供給のバランス

現在の不動産事情は住宅の供給が過剰な状態となっています。
しかしもともと住宅というのは多少過剰な状態でなければ、いざというときに住む場所がなくなってしまうため、多少の過剰は市場に影響を与えません。

しかしこれから先は人口減少と世帯数の減少がほぼ確実に起こります。
そうなってくれば空き家が増えていき、住宅の資産価値が下がっていく恐れがあるのです。

資産価値が下がっていくと、不動産業界としても打撃を受けることになり、建築業界など他の業界にも影響を与えてしまいます。

空き家問題への対策

このように様々な問題がある空き家問題ですが、実は空き家問題は最近になって注目を浴びてきたものであり、以前はほとんど問題視されていませんでした。
というのも一昔前は日本の人口は増え続けていき、少子高齢化の問題があってもまだまだ先の話という見解が強かったのです。

しかし近年、若者の低所得化や結婚に対するマイナスイメージによって過去にないほどの出生率の低さを記録しました。
急激に少子高齢化が起き始めており、2050年には人口が1億人を切ると言われています。

そのため、政府は空き家対策特別措置法を2015年に施行することにしました。

空き家対策特別措置法とは

空き家対策特別措置法は2015年に施行された法律で、空き家の中でも特に危険度の高い空き家を「特例空き家等」と定義し、行政によって法的処置を可能とした法律です。
この「特例空き家等」に指定された空き家の所有者には行政から連絡がいき、指導や命令などで早急に対策することを求められます。

もしそれでも何らかの対策をしなかった場合は、行政側で建物を解体することができ、その解体費用を所有者に請求するのです。

現状、空き家対策特別措置法は急な思考のため、各自治体の対処が追いついておらず、全国的にも進んでいるとは言えないのが現状です。

また、行政側で建物を解体して所有者に請求したとしても、払わないケースも考えられ、解体費用を回収できない恐れがあるため、中々積極的に動けないという話もあります。
このため、施行されてから行政が対処したケースはまだ少なく、法律の改定を待っている状況の自治体もあるようです。

空き家バンクの活用

空き家バンクとは空き家を譲りたい人と、欲しい人を繋ぐマッチングサービスのことを指します。
多くの自治体によって運営されており、移住者向けの空き家の開放や公共施設としての活用など、空き家に新しい可能性を生み出しました。

空き家管理サービス

空き家対策特別措置法によって、簡単に空き地を放置しておくことが出来なくなりました。
所有者によっては都市部に住んでいるが、空き家が地方にあるなど、定期的な管理が難しい場合があります。

そういった人のために、最近増えてきたのが空き家管理サービスです。
この空き家管理サービスは、1万円程度を払えば月に1回の空き家を巡回してくれるサービスであり、自分の代わりに空き家の見回りをしてくれます。

最近では知名度が上がってきており、利用する人も増えてきています。

空き家問題まとめ

以前は問題視されていなかった空き家も、急激な少子高齢化の危険と出生率の低下により、大きな問題として取り上げられるようになりました。

空き家の放置は所有者個人の問題だけではなく、悪臭や倒壊などの危険性があり周囲に被害を与える可能性があります。そのため自治体レベルの問題となっており、早急に解決しなければいけません。
しかし現状は法律的な問題もあり、中々進んでいないのが現状です。

そのため、所有者個人が空き家の対策を積極的に行うなどの心構えを持たなければいけないのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です