限界集落2018年現在での問題点とその対策を不動産コンサルタントが解説

限界集落とは~2018年現在の日本の過疎化問題とその対策

少子高齢化社会と呼ばれ久しい現在。
今でも出生率の減少などで、日本の人口は減少していくとの見方がされていますが、平成に入ってから「限界集落」という言葉が生まれました。

限界集落は徐々に増えてきており、深刻な問題となっています。
そこで今回は、限界集落の問題とその対策について解説していきます。

限界集落とは何か

そもそも限界集落の定義とはどのようなものでしょうか。
限界集落は、過疎化が進んだことにより人口の50%以上が65歳以上の高齢者になってしまった市町村のことを指します。

65歳以上の高齢者が半数を超えてしまうと、労働力の中核をなすとされる生産年齢人口から外れるため、集落の労働力が残りの半数以下の青年や壮年層に頼ってしまうことになります。
その結果、将来的な労働力が見込めなくなり、集落としての形が保てなく危険性があります。

実は限界集落には段階が存在します。

・55歳以上の割合が半数を超えている段階は「準限界集落」
・65歳以上の割合が半数を超えている集落は「限界集落」
・65歳以上の割合が70%を超えている集落は「危機的集落」
・それ以上に深刻な場合は「超限界集落」を経てから「消滅集落」となる

限界集落の数

現在では国土交通省と総務省が5年ごとに限界集落の集計を行っています。
2016年に国交省と総務省が限界集落の調査を行ったところ、2010年~2015年の間で190集落が消滅し、限界集落の数は1万4375と判明しました。

5年前の2011年時には1万91集落だったので、5年で4000を超える集落が限界集落となったことが分かります。
これは全国の市町村の22%を占める割合となっており、さらに今後増える見込みとなっています。

さらに集落全員が65歳以上の集落が162集落となっており、前回調査よりも増えた模様です。

現在、限界集落が最も多い地域は四国となっており、四国全体の集落全体の3.8%にあたる2426集落が限界集落となっています。
限界集落の数は中国地方の3829集落、九州地方の3045集落に次ぐ多さですが、集落全体の占める割合としては地区別統計で最も高くなっています。

限界集落の特徴

実は限界集落になりやすい集落の特徴があります。
第一に山間地や離島にある集落です。山間地や離島の場合、地理的な問題が大きく、若い人が移住してくる数や割合が少ないのです。さらに若者は本島や都会に移り住む人が多いため、子供が生まれたとしても将来的に集落を離れる割合が高いのです。

その結果、集落の中でも山間地と離島の割合は全体の約5割と非常に高い割合となっています。

他にも世帯数が20を切り、人口規模が50人以下の集落は限界集落になりやすい傾向にあります。
国土交通省が公表しているデータによりますと、限界集落の半数近くが人口50人を切っているようです。

さらに役所までの距離が以外にも重要となっているようです。
これも同じく国土交通省のデータによると、限界集落のうち本庁から10km以上離れている集落は全体の6割~7割と高い割合となっています。

その他に集落機能や地形などにも要因があるようで、原因は決して一つではないようです。

なぜ限界集落が増えていくのか

限界集落が問題ならば、限界集落に住めばいいと思う人もいるかと思いますが、実状は単純な問題ではありません。
限界集落が増えていく原因にも触れていきたいと思います。

限界集落からの人口流出

限界集落が増える最大の原因が人口の流出です。
若い人が集落を離れ、他県や都会に移り住んで戻ってこないという問題があります。
これは限界集落での仕事は主に農業となっており、それ以外の仕事はあまりありません。

そのため、集落に残って農業を継ぐ人以外はほとんど他の場所へ移り住み、仕事を探すことになるのです。
農産業というものは、あまり収入が高いとは言えず、さらに近年は農業を継ぐ人が少なくなってきています。

さらに近年ではインターネットの普及により、開放的な生活にあこがれる人が多く、閉鎖的な空間の集落での生活を嫌って、外へ出る人も多くなってきています。
このような要因が重なり、若い人がどんどん外へ流出し、限界集落では出生数が年間数人というのも珍しくありません。

限界集落への移住者の少なさ

限界集落の解消としてよく挙げられるのが、限界集落への移住です。
俗にいう田舎暮らしが一時期流行りましたが、都会から田舎へ引っ越しをする人は多くはありません。

そもそも田舎暮らしは、定年退職などで仕事を終えた人が都会の喧騒から離れ、静かな田舎へ移り住むケースが多かったため、限界集落の解消には成りえなかったのです。

限界集落では人の結びつきが強いので、外部の人を警戒する人が少ながらずいます。
そのため、外からの移り住んだ人は最初のうちは人とのコミュニケーションで苦労するケースがあるのです。

さらに都会から移り住んだ人は、限界集落の不便性に慣れなければなりません。
都会のように、歩けばすぐにコンビニがあったりスーパーがあったりする限界集落は少なく、大抵は車が必須となってきます。徒歩でも10分以上歩くことが普通なので、慣れない人には厳しいでしょう。

このように移り住むにはハードルが高く、覚悟を決めて移り住んだとしても生活に疲れて、結局元の場所に戻ってしまうケースが増えてきているのです。

限界集落から移住しない

最終的な手段として限界集落からの移住を進めて、限界集落の問題を解消する方法もありますが、これもかなり厳しいとの見方がされています。
まず、限界集落に住む半数以上の人が65歳以上の高齢者と呼ばれる人たちです。

自分が長年住み慣れた土地を離れたくないという人は多く、移住に首を縦に振る人はほとんどいません。
また、移住したとしても移住先での生活に不安を感じる人も少なくありません。

他の問題としてはお金の問題です。
限界集落から移住したくとも出来ない場合が多いのです。

限界集落という場所は土地価格が他と比べて安く、相場もほとんどないような場所がほとんどです。
そのため、土地を売ったとしても雀の涙程度にしかならず、預貯金もあまりないから動けないというケースもあります。

このような要因があるため、限界集落の解消はかなり難しくなっているのです。

限界集落が再生するための対策

現在増え続けている限界集落や将来的に限界集落になる可能性のある集落は、そのような現状を打破するために様々な対策や取り組みを行っています。
さらに自治体やNPO法人の活躍もあり、地域促進を進めているところもあるようです。

その対策と取り組みについて見ていきましょう。

空き家の活用

集落に点在する人が住んでいない古民家を使って、人を呼ぶ活動です。
これは兵庫県にある集落丸山が成功例として挙げられています。

この集落丸山では、活動前の段階の2009年で4世帯しか住んでおらず、超限界集落の状態でした。
しかし2009年から集落の住人が主体となり、集落の再生事業に着手します。

集落丸山では築150年を超える古民家がいくつか存在しており、この古民家を宿に改築しました。
この宿を使って、田舎暮らしの体験ツアーや地元食材を使ったフランス料理店を運営するなどの活動をしたところ、2016年には6世帯23人と徐々にではありますが人口を増やすことに成功しました。

農業の活性化

前述したように限定集落の主な仕事は農業が多いです。
この農業を前面に出してPRし、限界集落からの脱却を目指している集落があります。

その成功例として有名なのが長野県にある「川上村」です。川上村は標高1000m以上の場所にある高冷地にあります。
高齢者割合は人口の20%と限界集落ではありませんが、立地的な問題などで過疎化の一途を辿るとされた集落です。

昔から農業が盛んであり、白菜やレタスなどの野菜が有名でした。
その川上村は平成に入り、全国的に川上村の野菜のPRを始めます。高原野菜に適した土壌作りから、新種の開発、機会を導入することによる効率化などを行った結果、現在では全国でも指折りのレタスの産地となりました。

1980年代からの人口統計を調べてみると、0~14歳の年少世代の数は減少しており、65歳以上の高齢者の割合が増えています。
しかし14~65歳の生産年齢の世代はほぼ横ばいになっており、一時的には増えている年もあります。

これは川上村の農家の平均年収が2000万円をこえていることが有名になり、外部から若い人が移住してきているからです。
農業により、過疎集落を脱した集落として今後も期待されている集落です。

もう一つのケースは新潟県の池谷という集落です。
こちらは2004年に発生した新潟県中越地震で被災した集落で、集落の過疎化と震災という災害で復興ボランティアの若者と住民が農業改革に繰り出します。

その時点で集落の人口は10人程度で大半が高齢者という現状でした。
そこからボランティアの人たちと力を合わせて、池谷で古くから作っていた米をブランド化し、農業研究性の受け入れなどを積極的に行うようになりました。

その結果、2016年には人口が23人になり移住者も若い人ばかりということで、高齢者の割合が半数を割り、見事に限界集落から脱しました。

町おこし事業

農業や空き家事業以外にも限界集を脱したケースもあります。

大分県にある豊後高田市も町おこし事業で成功した一つです。

昔は活気のあった商店街が、過疎化と大型ショッピングセンターなどで衰退し、シャッター街となりました。長い間解決策を見いだせずにいましたが、2001年に古い町並みをPRする町おこしをスタートします。
昭和の時代を残す懐かしい町並みはインターネットや口コミを通じて広まり、現在では年間30万人をこえる観光客が訪れています。

その結果、市に人が集まってきており、移住者が増えてきました。
その中でも注目するのが外国人の数です。

平成16年時点で住んでいる外国人の数は150人程度でしたが、平成25年に倍の300人を超えており、現在は400人に届く勢いとなっています。

このように古い情景をPRして成功する事例は他にもいくつかあり、限界集落や過疎集落の解決策として取り組んでいる自治体が多く存在します。

限界集落の問題点と対策まとめ

2018年には出生率が今までにないほどの減少率を見せており、このままでは2050年に日本の人口が1億人を切るのではないかと推測されています。
現在、65歳以上の高齢者の割合は27%程度と言われていますが、2050年には37%程度になると言われており、これからますます高齢化社会は進んでいくでしょう。

限界集落も5年ごとの調査とはいえ、調査のたびに増加しており、これからも増えていくでしょう。
限界集落の問題を少しでも解消するために現在でも対策を練っているところは多いですが、行っていない、行うことが出来ないという集落もあると思います。

そのような集落が存在するという現状を少しでも知ることが出来る手掛かりになることが出来れば、幸いです。

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