親から相続された実家を売却する方法~空き家にさせない遺産の家

親が急に亡くなったり、病気で長期入院をしなければならなかったり様々な場面で所有者が親の物件を売却しなければいけないという場面は考えられます。

もし亡くなった場合では相続登記してから売ることはできますが、長期入院などの場合は生前贈与でもしない限りは名義の変更はできません。

特に認知症や意識障害など、所有者である親に意思を確認できないという事態もありえ、そうなると本人の契約行為ができないため、代理での売買になるのでしょう。

少子高齢化社会が年々深刻になってきており、親の物件を売却するケースも今後増えることでしょう。

そこで今回は親の物件を売却する方法について解説していきます。

相続した不動産の売却について

親の物件を売却するケースで最も多いのが相続でしょう。

親が亡くなって相続が発生すると、親所有の不動産は相続人へと相続されます。

もし、相続人が複数いる場合は、それぞれ持分を持つような形になるでしょう。

相続人が一人の場合でも複数の場合でも必ず行わなければいけないのが、相続登記です。

不動産の売却では、所有者と売主とが売買契約を結ぶ必要があり、亡くなった親の名義の不動産を売ることが出来ません。

そのため、売却時には相続人の名義にする必要があり、そのために相続登記が必要になってくるのです。

相続登記の際には、亡くなった親の戸籍、相続人の戸籍と印鑑証明、相続人の住民票、さらに遺産分割協議があった際には遺産分割虚偽書が必要になってきます。

また、相続登記には登録免許税という手数料も発生し、これは所有している不動産の評価額の0.4%が課税されます。

この相続登記は基本的に司法書士に依頼することになるので、司法書士への報酬も支払う必要があり、数十万円単位でお金がかかるケースもあります。

・相続人が複数人いる場合

相続人が複数人いる場合、不動産の売却というのはトラブルになりやすい傾向にあります。

というのも相続人が複数人いる場合は、売却について全員の合意が必要になり、一人でも反対した場合は売却することはできません。

特に金額面でのトラブルが多く、一人がこれ以上の価格でなければ納得しないと言えば、その価格以上の金額で売却できるのを待つしかないのです。

このケースの場合、相続人が周りの相場を勘違いしているケースが多く、通常の相場ならば売れるのに何年も売れない状態が続いてしまうこともあるのです。

これでは売ろうにも売れなくなってしまうので、相続人同士でキッチリと話し合って決める必要があります。

・相続税について

相続の際には相続税という税金が発生します。

これは親が亡くなったことを知ってから10ヶ月以内に支払う必要があり、これを支払わないと脱税という違法行為にあたります。

この相続税には一部控除されるため、この控除額は相続人の数によって変わっていきます。

基礎控除3000万円+(600万円×法定相続人)<親の全財産

控除金額を親の全財産の評価額を超えたときに、相続税が発生します。

相続人には、配偶者、子や孫の直系卑属、父母や祖父母の直系尊属の順番で優先順位が決まっており、例えば子だけの相続の場合は一人だけなら3600万円、二人の場合は4200万円が控除されます。

相続税を支払う際に気を付けなければいけないことは、支払うだけの資産が無い時です。

この場合は相続した不動産を10ヶ月以内に売って、そのお金で支払う必要があり、それを忘れてしまうと滞納とみなされてしまいます。

売却する方法

不動産を売却する方法は大きく分けて三種類あり、「仲介」、「直接買取」、「個人間売買」に分けられます。

それぞれ違ったメリットとデメリットが存在するので、それぞれの特徴をキチンと把握しておきましょう。

・仲介について

仲介のメリットとしては、まず広い宣伝力があります。

不動産会社のサイトやポータルサイトへの掲載、さらに不動産業者だけが利用できる不動産流通機構への登録もされるため、全国の不動産業者がその物件を見ることが出来ます。

そのため、比較的早い段階で売却することができ、直接買取や個人売買に比べ高値で売れる可能性が高いです。

しかし仲介は不動産業者へ売買を仲介することになり、その依頼する業者のやり方ややる気に非常に左右されます。

やる気のない不動産業者にあたってしまうと、売れる物件なのに売れなかったり、もっと高値で売れるはずなのに安値で売れたりする事態が起きる可能性があります。

また、仲介では不動産流通量を非常に重視するため、需要がほとんどないような田舎の土地は売れる可能性が少なく、売却まで長期間かかる可能性があります。

仲介業者には仲介手数料を支払う必要があるのですが、安い金額の土地の仲介手数料は不動産業者にとって旨味があまりないため、そういった物件の売却は中々進まないことが多いです。

・仲介の流れ

仲介を依頼する際には、依頼する不動産業者と媒介契約を結ばなければいけません。

媒介契約は基本的に3か月契約となっており、3か月未満で解約しても大丈夫です。

もし、3か月では売れなかった場合は更新するか、他の不動産業者を探しましょう。

この媒介契約については一般媒介契約と専任媒介契約、専属専任契約の3つの種類があります。

一般媒介契約は他の不動産業者にも依頼することが出来ますが、その特性故、あまり不動産業者が積極的に動きたがらない特性があります。

専任媒介契約及び専属専任契約は、依頼する不動産業者を1社に絞ることで、不動産業者を信頼している証拠にもなり、最も不動産業者がやる気を出す媒介契約です。

それぞれの特性をよく考えて、どの媒介契約にするか考えましょう。

直接買取について

仲介では様々な不動産業者や個人に向けて購入希望者を求める売買ですが、直接買取の場合は、買取を依頼する不動産業者自らが購入する形になります。

・直接買取のメリット・デメリット

直接買取では、売主と買主である不動産業者との直接取引になるため、仲介のような仲介手数料は発生しません。

また、仲介では売買までに数ヶ月かかる場合もありますが、直接買取では数週間から1ヶ月程度で売買が完了できるというスピーディな面もメリットとして挙げられます。

しかし直接買取は仲介に比べ、売買価格が6~8割程度までに落ち込むことがほとんどです。

これは直接買い取る不動産業者は、家をリフォームまたは解体して新たに建てる必要があります。

さらにその費用を差し引いて利益を確保しなければならないので、必然的に仲介よりも安くなってしまうのです。

・買取の流れ

買取を行う際に、最初にしなければいけないのが買い取り業者に査定依頼をしてもらうことです。

仲介でも査定依頼を行うケースが多いですが、仲介での査定金額はおおよそ売れるだろうと予想される金額であり、確実にこの金額で売れるという保証にはなりません。

しかし直接買取の査定金額は相手の不動産業者がこの金額で買い取るという価格を提示してきます。

そして提示された金額に不満があれば、その段階で断って他の買取業者を探すこともできます。

もし早めに売りたいと考えているのであれば、金額面は多少妥協が必要でしょう。

個人間売買について

個人間売買は不動産業者を介在せず行う取引です。

個人間売買の多くは親せきや親しい友人などの間で行い、売買契約書を交わさないで行われるケースもあります。

仲介や売買とは違い、余計は費用や手間もかからないため、現在では専門サイトも存在するようになりました。

しかし専門サイトでは知らない人と直接売買を行うため、余程信用していない限り契約が成立せず、あまり普及していないのが現状です。

・個人売買のメリットとデメリット

個人売買では仲介のような仲介手数料は発生しません。

さらに不動産業者を介在させないため、不動産の移転登記なども自分で行うこともでき、司法書士に直接依頼するよりも10万円程度節約することが出来ます。

このように個人売買では金銭的な費用が他の売買よりも安く済むというメリットがあります。

しかし不動産という高額な商品を個人間で取引するというのは、素人が行うのはハードルが高く、専門的な知識を持っていない人も多いです。

ここで売主と買主との知識の差があると、どちらかに不利な売買契約を結ばれる可能性もあります。

また、売買契約を結ばずに行われることもあるため、そうなると後々トラブルの元になりやすく、特にこれは知らない人同士で売買を行った場合に生じやすくなっています。

・売買契約と登記に注意

どんな売買方法でも売買契約と登記については非常に重要になります。

特に個人売買では口約束でも契約を結べるという特性上、売買契約を行わずに売買するケースもあります。

しかし、口約束ではトラブルが起きやすく、そのために売買契約を行う必要を交わしたほうがいいでしょう。

口約束の場合でも買主は代金を支払い、売主は物件を引き渡しと登記への協力に義務が生じます。

この登記のタイミングがシビアであり、登記する前に代金を支払ってしまうと、売主がそれをもって逃亡する可能性があり、逆に先に登記してしまうと買主が代金を支払わずにそこを占用してしまう可能性があります。

そのため、費用を安く抑えるために個人で登記する人もいますが、出来るだけ司法書士を介在させて行ったほうがトラブルを起こすことなく円滑に進めることでしょう。

まとめ

相続での物件の売買は年々増えてきており、相続物件専門で売買を行っている不動産業者も増えてきました。

そのような専門な不動産業者は流れを全てわかっているため、円滑に業務を遂行してくれます。

もし近くにそのような不動産業者がいれば、そこに頼むのがいいでしょう。

近くにその業者がいなかった場合は不動産業者に頼むのもいいですが、相続登記も絡んでくるため司法書士などに相談することも選択肢としてあります。

いずれの方法でもトラブルを起こさないために関係者と話し合って流れを決めるようにしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です