土地や空き家を寄付したい人へ4つの方法と相続放棄を専門家が解説

土地や空き家は寄付する事はできる?相続放棄で処分はできるのか

田舎などの地方には放置されている空き家や土地が多く存在します。
そのような土地を他県の親族が相続するケースもあり、まともに管理されていないという現状があります。

売却できるのなら売却したいところですが、田舎のほうの土地となると、資産価値がなく売却が困難になっています。
では、そのような土地をどのように処分すればよろしいでしょうか。

実はそのような土地は地方自治体などに寄付することが出来るのです。
今回は放置されている土地や空き家の寄付の方法や相続した空き家や土地の処分方法について解説していきます。

①自治体への寄付

寄付の中で最初に考えられるのが、その地域にある自治体に寄付することです。
自治体への寄付ならば、自分の土地を何かに活用してくれる可能性があるので、心情的にも一番寄付しやすいのではないでしょうか。

寄付の手続き

自治体によって細かな違いはありますが、基本的に下記のような流れになります。

・窓口や専門の課に相談
・自治体による土地や空き家の調査
・受け入れていいと判断されたら必要書類を提出し、移転登記が行われる

この時の必要書類は以下のようになります。

個人の寄付に必要な書類

・寄付申出書
・公図及び登記簿謄本
・所有権移転登記承諾書
・現況の写真

他にも自治体によって必要な書類は変わっていきますので、必ず確認するようにしましょう。

②個人への寄付

個人への寄付で一番多いのが隣地の所有者や住人です。
隣地の土地ならば、合筆して小屋を建てたり二世帯住宅にするために建物を建てることができます。

もちろん、隣地以外にも買い取ってくれる可能性もありますが、それもほとんどが近くの住人となり、遠くの人への寄付はほとんどありません。
近所の人へ寄付する場合は、建物を建てる以外にも資材置き場として使う場合もあるので、場合によっては解体費用を支払うこともあります。

個人への寄付にかかる費用

個人へ寄付する場合は、寄付する相手に対して贈与税が課税されます。
贈与税には基礎控除があるので、110万円以下の評価額ならば、無税になります。

贈与税は税金の中でも税金が高いのですが、そもそも寄与するしか使い道が見いだせない土地というのは、必然的に土地も空き家も評価額は少ないので、そこまで高い金額にはならないでしょう。

贈与時に必要な契約書

売買では売買契約書を作成し、交付しますが、贈与でも贈与契約書というのを作成し、交付しなければなりません。
個人間の売買のため、普通ならば贈与契約書は必要ないのですが、贈与契約を結ぶことにより、贈与後のトラブルを避けることができます。

贈与契約書の記載内容

・贈与者の氏名 受贈者氏名
・土地の所在地、地目、地番、地積
・建物所在地、家屋番号、種類、構造、各階床面積
・所有権移転登記の日時と、費用、費用の負担者
・公租公課の負担割合
・収入印紙

最低限でもこれらを記載しなければ、正式な契約と認められない場合があるので、不安ならば司法書士立会いの下、行うようにしましょう。

③法人への寄付

あまり事例がありませんが、法人へも寄付することができます。
法人の場合は、個人とは違い使われる費用も経費扱いになり、資材置き場や違う事業での目的で使うこともできます。

法人は、一般企業と、公益法人等にできます。
それぞれ違いがあるので解説していきます。

一般企業への寄付

個人が一般企業へ寄付するのは、かなり稀なことです。
会社関係者や何らかの会社との関わりがなければ難しく、また使い道の内容な土地や空き家を引き受ける企業というのは、非常に少ないです。

それでも一般企業が寄付を受けるという話になれば、不動産取得税や登録免許税、そして受贈益も課税されることになります。
さらに管理義務も発生するため、管理費がかかります。

さらに寄付する側も譲渡所得税がかかることもあり、寄付する側にも費用が発生します。

このように一般企業にとっては、使い道のない土地は費用がかかるだけの損にしかならず、寄付を受ける企業はほとんどありません。

公益法人等への寄付

公益法人と一言で言っても、社団法人に財団法人、学校やNPO法人など様々な団体があります。
こうした公益法人への寄付は、教育や文化、社会福祉等の分野へ寄付するとみなされており、他の場合と違って税法上の優遇措置があります。

この優遇措置とは、一般企業のように発生する譲渡所得税が公益法人等への寄付では発生しないということです。

しかし譲渡所得税が非課税になるためには、公益性が高い寄付として税務署に承認申請書を提出する必要があり、さらにその承認を受けなければいけません。
そのため、手続きに時間がかかり、承認が降りなければ譲渡所得税がかかるため、余程の土地や空き家でもない限りは難しいでしょう。

④町内会や自治会への寄付

町内会や自治会は、営利目的で運営世されない公益性を持つ団体組織のことを指します。

通常団体に寄付する際は、個人は個人名義で、法人は法人名義で登記することが出来ます。
しかし自治会や町内会は、個人ではなく、だからといって法人ではないため、土地の登記が出来ないのです。

その場合は、市町村長に地縁団体として認可されることが必要であり、認可されると不動産の所有者として認められるのです。

そのため、町内会などに寄付する際は、認可地縁団体であることを確認したうえで寄付するようにしましょう。

利用価値のない土地は受け入れられない

不動産の所有者に毎年支払う固定資産税や都市計画税は市町村税なので、市町村の重要な財源です。
この財源を減らしてまで利用価値のあるのであれば、土地の寄付は受け入れられます。

しかし、使用用途が無いような土地は持っていても仕方がないので、寄付を断られることが多いです。
これは田舎の土地の場合が多く、田舎のほうの山林などを寄付しようとしても、ほとんどの場合は受け入れられません。

借地上の空き家の寄付

借地上の空き家を寄付する場合は、流れが複雑になります。
借地の場合は、借地権契約を結ぶ必要があるため、寄付を受けた側が借地権契約を結び、地代を支払うつもりがあるかどうかで変わってきます。

寄付後の土地と地代については以下のようなケースがあります。

・借地権を寄付する側のままにして、地代を寄付を受けた人が支払う
・地主と寄付を受けた人とが協議し、使用賃借にしてもらう
・地主と話し合い、土地ごと寄付をする

この場合、最後のケースはほぼありえません。よくても売買となり、寄付にはならないことがほとんどでしょう。
可能性として高いのが最初のパターンであり、面倒な手続きをしなくていいというメリットもあります。

しかしどのケースにしろ、地主との協議が必要となってくるので、ある程度の時間がかかります。

相続放棄による処分方法

使い道のない土地を相続してしまったら、固定資産税がかかりお金がかかるといって、相続放棄を考える人もいるかと思います。
しかし相続放棄の場合は、被相続人が保有している財産全てを放棄することになるため、不動産のみを放棄することが出来ません。

そのため、不動産のみを放棄するのならあらかじめやることがあります。

相続放棄について

相続放棄の制度というのは、法定相続人として財産の相続を受けるかどうかを決めることになります。
そのため、一部の財産だけ受ける、一部の財産は放棄するといった放棄は認められていません。

また、相続前に相続放棄をすることができないといった特徴があります。

これは、一部だけの相続放棄を認めると、相続人全員が不必要な財産を放棄することが明らかであり、誰の所有にもなっていないため国庫に帰属される可能性が高いのです。
しかし国としても使い道のない土地はどうしようもなく、税金の徴収もできないため、その状況を防ぐために、一部放棄ができなくなっているのです。

そのため、もし不動産のみを相続放棄するのであれば、他の財産をあらかじめ生前贈与してもらい、相続時には他の不動産を減らす必要があるのです。

複数の相続人がいる場合

相続人というのは、何も一人とは限りません。
親兄弟、もしくは子供などの親族が相続人としての優先順位を持っており、一人が相続放棄したとしても、そのうちの誰かに相続権が発生します。

そのため、相続放棄を行う場合は、相続権を持っている人全員が相続放棄をする必要があります。

被相続人の配偶者は必ず相続人となり、優先順位が一番高くなります。
子どもがいればその子供にも相続権が与えられ、その子供が死亡していた場合は孫に代襲相続権が与えられます。他にも両親や祖父母、兄弟姉妹などが相続権を持つようになり、ケースによってはかなり複雑になります。

そのため、相続放棄を行う際には弁護士や司法書士に協力してもらうことでスムーズに進めることができます。

寄付する側にかかる税金

前述したように、法人に不動産を寄付した場合でも、譲渡所得税が発生する可能性があります。
ここでは一度、おさらいとして寄付する相手による課税可否をまとめてみましょう。

・個人の場合:譲渡所得税は非課税
・自治体の場合:譲渡所得税は非課税
・一般企業の場合:課税対象
・公益法人等:承認が通れば非課税、通らなければ課税
・自治会や町内会:認可地縁団体なら非課税、それ以外なら課税

このようになっています。

・譲渡所得税の計算
譲渡所得税の計算式は、不動産の時価、寄付にかかった費用、不動産の取得費が分かれば計算することができます。

不動産の時価-寄付にかかった費用-不動産の取得費=譲渡取得

この場合、相続した不動産の場合は不動産の取得費が分からない場合が多いです。
そのため、取得費が不明の場合は、時価の5%を取得費として計上することができます。

土地や空き家は寄付する事はできる?相続放棄で処分はできるのかまとめ

少子高齢化により、相続を受ける人が増えてきています。
しかし、それと同時に人が首都圏に集まり地方に人が少なくなってきている影響で、相続放棄をする人もまた増えてきています。

相続するにしろ、相続放棄するにしろ、使う予定がなく売却も難しい土地は他の人へ寄付することも考えてもいいかもしれません。
空き家対策特別措置法が施行されてからは、今後放置されている空き家はマークされるようになり、管理をしなければ勝手に解体され、費用を請求されることも起こりえるのです。

それを防ぐためにも、不必要な土地を上手く処分して、無駄なトラブルを避けるようにしましょう。

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