農地売るか貸すか~不動産コンサルタントが教えるそれぞれのメリットと注意点

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近年では、農林漁業者の高齢化が深刻になってきており、高齢者問題などで農業就労者が減ってきています。

戦後間もない時期の食糧自給率は7割を超えていましたが、現在では3割を切る勢いとなっており、そのため放置されている農地も増えてきています。

農地というのは農家しか取得することが出来ず、一般の人が何かに使おうと思っても農地転用が出来るものでもない限り、活用するのが難しい土地です。

特に、相続で農地を相続してしまったことで遊休農地や耕作放棄地の増加につながっており、問題視されています。

農地バンクというのも設立され、農地を集積化する動きも見えていますが、中々進んでいないのが現状です。

こういったことから、農家以外の人が農地を活用する方法としては、「賃貸」か「売却」といった活用法になります。

この二つの活用法について解説していきます。

 

農地の売買の問題

前述したように農地というのは農家以外の人が買うことが出来ません。

そのため、農地そのままの状態で売買するのは、知り合いに農家がいる人でもない限りは現実的ではなく、非常に望みの薄い方法でしょう。

しかし農地には農地転用といって、農地を宅地などの違う土地に変更することが出来るものもあります。

この転用が出来るかどうかが農地を売却するうえで非常に重要になってくるのです。

・農地転用するための条件

農地転用は全ての農地で出来るわけではありません。

農地というのはいくつかの種類に分けられており、農地転用後の活用方法についてもキチンと調査されます。

農地の種類については立地基準で決められており、市街化地域から遠ければ遠いほど農地転用が不可能の土地として判断されています。

・農用地区域内農地:原則転用不許可

・甲種農地:原則転用不許可

・第1種農地:原則転用不許可

・第2種農地:条件しだいによって許可

・第3種農地:原則許可

このことから、農地転用が可能な土地は第2種農地と第3種農地のみであり、他の農地は原則不許可になっています。

まず自分の所有している農地がどの農地に当たるのかを農業委員会に問い合わせするようにしましょう。

自分の所有している農地が転用が可能な土地だったとしてもすぐに安心してはいけません。

農地を転用するためには、明確な目的が必要であり、ただ単に農地を宅地にしたいといった目的では許可を得ることが出来ません。

目的を実現できる資金力、転用後にキチンと目的のために使うのかなど様々な点を調査され、もし転用後農地を目的と違った方法で使った場合、転用が無効になります。

このように農地転用には楽ではない手間暇がかかるのです。

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農地の相場

農地の相場はその土地によって大きく変わっていきます。

山岳部にある農地と、都市近郊にある農地の相場は特に乖離がひどく、さらに売買価格は年々下落している傾向にあります。

山岳部にある農地は相場というものがないと同等であり、例えば政府が公表している売買価格は、準農業地域で10アール当たり127万円です。

しかしこれより安い金額で買われることも珍しくなく、1坪あたり100円などの価格で計算されてしまうこともあります。

それほどまで山岳部の農地というのは需要がなく、相場を当てにしても意味がないのです。

逆に都市的農業地域にある農地は10アール当たり360万円前後となっており、これは坪1万円程度です。

他の地目の土地に比べれば、圧倒的に安いのですが、それでも農地としては破格の相場と言えるでしょう。

このように農地自体は非常に安い金額で売買されていますが、農地転用が可能ならば話は別になっていきます。

農地転用が可能ならば、宅地と同等の扱いがされるので売買価格は跳ね上がる可能性があり、さらに買取希望者も現れやすいでしょう。

農地を貸す場合

農地を貸す場合でも転用できるかどうかは重要です。

転用できなかった場合は、売買と同じように農家以外に貸し出すことができないため、賃貸収入を得るのがほぼ不可能になります。

もし転用が出来るのであれば、様々な活用法ができ、選択肢も多いです。

例えば、移住者向けの住宅用地として貸し出したり、立地がよければ事業用地として貸し出すことも可能です。

賃貸の活用方法の一部を紹介していきます。

・個人向けの住宅用地としての賃貸

個人向けの賃貸の場合は、土地だけ貸し出して移住者が自ら家を建てる場合と、アパート経営を考えている人に土地を貸す場合の二種類があります。

農地が大きすぎる場合には、分筆して貸し出す方法なども可能であり、応用が利きやすい活用方法です。

しかし住宅用地として貸し出すためには、電気やガスなどのライフラインの引き込みをしなければなりません。

そのため、公道から離れている土地では難しく、公道に接している農地が対象となります。

・事業用地として貸し出す

事業用地として貸し出すには基本的に店舗や事務所になるでしょう。

他にも規模が大きいのなら工場なども考えられますが、どの場合においても事業用地として貸し出すにはそれなりの好立地であることが求められます。

事業用地としての賃貸は個人向けの住宅用地よりも地代を高く設定できるので、収入面では優秀です。

しかし、立地の問題と借主の業績の悪化による撤退のリスクもあり、中々安定した収入を得るのは難しいでしょう。

一度成功すれば、長期的に収入が得られるというメリットもありますが、常にリスクがあることを理解しなければいけません。

・駐車場用地として貸し出す

駐車場用地として貸し出すためには、事業用地と同じくある程度立地がよくなければいけません。

ある程度人が住んでおり、なおかつ利便性の高い立地ならば駐車場用地として貸し出すのも有りでしょう。

駐車場用地貸し出す場合は、多少の整地を必要にしますが、建物を建てるよりも安価に済ませることができ、ローコストローリターンであることが特徴です。

個人向けや事業用地のような大きな収益を得るのは難しいですが、堅実的な活用方法として人気があります。

・資材置き場として貸し出す

限定的ではありますが、資材置き場として貸し出す方法があります。

資材置き場委に適している立地とすれば、道路に面していることが最低限です。

さらに、資材置き場を必要とする会社が近くになければ需要はありません。

また、近くに工事を行う会社が一時的に借りることも考えられ、そうなると何か月かの短期契約として貸すことが可能です、

中には個人で資材置き場を借りる人もいますが、非常に稀であり探し出すのは難しいでしょう。

このように需要が限定的なっているため、もし資材置き場として貸し出すのなら、事前に資材置き場を探している人を見つけて、それから転用することをお勧めします。

それぞれのメリットとデメリット

農地の売却と賃貸について解説していきましたが、それぞれのメリットとデメリットについて解説していきます。

このメリットとデメリットをキチンと理解して、どう活用するかを考えていきましょう。

・農地売却のメリット・デメリット

それでは農地売却のメリットとデメリットについて解説していきます。

まず農地売却のメリットといえば、賃貸とは違い売れたらすぐにまとまったお金が手に入ることです。

特に農地転用が可能な農地の場合は、高額で売れる可能性もあるため賃貸で貸し出す自信がなければ売却してお金にするほうがいいでしょう。

デメリットとしては農地売却を不動産会社に依頼する際に、まじめに活動してくれるところがほとんどないことです。

不動産会社としては、農地というのは売れる見込みがなく、なおかつ売れたとしても宅地よりも全然低い金額での売買になります。

そのため、仲介手数料も雀の涙程度しかもらえず、不動産会社からしたら利益がほとんどない案件を一生懸命活動したくないのです。

また、農地転用が可能な農地ならばまだしも、農地転用が不可能な土地だった場合はほとんどの不動産会社が依頼を拒否することが考えられます。

これは買主が農家に限定されるため、売れる可能性が非常に低いためです。

そのため、農地の売却というのはすぐに売れるものではなく、数年かけても売れない可能性があり、そうなるといっそ賃貸として貸し出したほうがいいかもしれません。

・農地賃貸のメリット・デメリット

農地賃貸のメリットと言えば、上手くいけば安定した収入を得られるという点です。

農地転用ができる農地ならば、選択肢が広がり、様々な活用方法がありますし、農地転用ができなくても農地として貸し出せる可能性が少ないですがあります。

また、農地を貸し出すことができれば、農地の管理を借主に任せることができるので、遊休農地扱いされず、固定資産税が安くなります。

しかし賃貸の場合でももちろんデメリットがあります。

まず、賃貸の場合は借主のほうが権利として強いため、貸主が自由に何かをすることが基本的にできなくなる点です。

例えば、転用した宅地に家を建てようとしたとしても、まだ契約期間中ならば借主に権利があるため契約破棄ができません。

また、転用すると固定資産税が高くなるため、自分で使わず、なおかつ借主も現れなかった場合は、高い税金を支払い続けるだけになります。

また、賃貸契約についてしっかりとした手順で行わないとトラブルが起きやすいのも注意が必要です。

まとめ

農地をそのまま相続してしまうと、相続人が農家でもない限りは確実に遊休農地になってしまいます。

転用が可能な農地ならば、すぐさま転用して賃貸もしくは売却と言った形で収益に変えるのが一番手っ取り早い方法でしょう。

転用ができない農地でも農地として貸し出す、もしくは売ることができれば遊休農地とはみなされずに固定資産税の増加を防ぐことができます。

農地の賃貸に関しては、農地バンクを使用するなどの方法が考えられるため、悩んだら農業委員会へ相談するのもいいでしょう。

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