山林売買成功の3ポイントと税金や仲介手数料を不動産コンサルが解説

山林売買を成功させる3つの方法と税金・届出について

日本は国土の66%が山林の山林大国です。
その山林のうち約58%が個人の所有している私有林とされています。

この山林はよく地方の人が亡くなった際の相続財産として子どもなどに相続されていきます。
昔は山を持っている人は金持ちというイメージがありましたが、現在では二束三文にもならず、売ろうにも売れない事態になっています。

幸い固定資産税は宅地などに比べてかなり少ないため、放置しても問題はないのですが、それでもいつか売却を考える時が来るとは思います。

その時に苦労しないように山林売買の問題点と売却の仕方を説明していきます。

山林売買の難しさ

山林は宅地などに比べ、広大な範囲で所有していることがほとんどです。
土地が広いのなら売れるのではと考えるかもしれませんが、山林は非常に地価が低いという特徴があります。

それ以外のも様々な問題があるのです。

登記上の面積と実測面積

山林の場合、登記簿謄本と実測面積が大きく差があることは珍しくありません。
これは元々の土地が広く、山林のため測定がしにくいという点と、昔実測したのみで現在と違い正確な実測が出来ていなかったなどの原因が考えられます。

このような事態は山林以外にも平地でもあり得ることですが、山林の場合は誤差が大きくなりがちなのです。
登記上の面積のほうが小さい場合は、実測面積よりも小さい面積の土地を売ることになるので、売主が損をしてしまいます。

逆に実測面積のほうが小さい場合は、買主は登記上の面積で売買するので買主が損をします。
そのため、通常の不動産売買では契約の前に事前に測量を行って、境界をはっきりさせたうえで売買します。

しかし山林売買の場合は、山林の測量費用が平地の測量よりも高い金額がかかります。
買主としてはただでさえ利益が少なく、安い金額で売買したいのに測量をしてしまえば、赤字になりかねません。

そのため、山林売買では登記上の面積で売買されることが多くなっています。

山林売買の相場

どんな売買にも言えることですが、需要と供給のバランスというのは大事です。
売主のほうが多ければ売りにくく、買主のほうが多ければ買いにくくなります。

現在の山林売買の現状ですが、売主が少し多いくらいで買主がほとんどいないという状況になっています。
ヘクタール単位規模の山林ならば売れることもありますが、一個人でその規模の山林を持っている人は少なく、ほとんどの場合は多くても数千㎡となっており、ヘクタールには及びません。

そのため、余程運がよくなければ買い手に恵まれないことがほとんどなのです。

さらに山林売買はその取引の少なさや流通量の少なさから、相場と言われるものは存在しないと考えたほうがいいです。
これは山林に生えている樹木の種類によって価格が変わってくるものであり、普通の不動産屋では正確な相場を計算するのは困難な代物だからです。

買主希望者が現れたとしても、欲を出して高く買ってもらおうと思って、少しでも値段交渉をすると断られる可能性があります。
売主としては買主希望者が現れただけでもかなりラッキーなことなので、買主の言い値で交渉設立するケースが多くなっています。

山林の価格相場

山林と一口で言っても実は山林は4種類に分けることができます。
その種類ごとに大雑把ではありますが、相場のようなものがありますが、前述したように山林は相場が無いと言っても過言ではないので、この相場価格よりもさらに低くなることは十分に考えられます。

・都市近郊林地
・農村林地
・林業本場林地
・山村奥地林地

都市近郊林地は市街地近く、または市街地にある林地のことを指し、宅地に変更できる可能性のある山林です、
宅地に変更することにより住宅なども建てることが出来るので、通常の山林に比べ少し高めの相場になっています。

農村林地や林業本場林地は市街地から遠くのある山林のことを指し、ここまでくるとガクッと相場が下がっていきます。
山村奥地林地は、その名の通り山奥にある山林のことを指し、この山林はもはや相場らしい相場が存在せずタダでもいらないという業者がほとんどになっていきます。

それでは実際の相場価格も見ていきましょう。

・都市近郊林地の相場
1㎡あたり  約1000円~5000円

・農村林地の相場
1㎡あたり  約500円未満

・林業本場林地の相場
1㎡あたり  約100円未満

・山林奥地林地の相場
1㎡あたり  約100円未満

都市近郊林地なら1㎡あたり1000円以上で売れ、それ以外の山林は1000円未満で売れているようです。
しかしこれはあくまで目安のようなものであり、都市近郊林地だけは1000円未満になることや、10000万円近くまで高くなっている土地もあり、これは周りの地域の相場によって決まっていきます。

逆に林業本場林地や山林奥地林地の場合は、1㎡あたり100円で売れることはほとんどなく、50円や10円などの価格で売れることが多いです。
しかし、売れること自体が珍しいので、例え低い金額でも売れればラッキーと考えましょう。

山林の売買方法

山林は売買しにくいものですが、それでも売買する方法はあります。
ここには代表的な方法を説明していきます。

①山林バンクを活用する

山林バンクとは、山林を専門にあっせんしているネットサイトです。
全国の山林を取り扱っており、その知名度は高く、多くの売買事例を誇っています。
もちろん、確実に売れるとは言えませんが、普通の不動産業者に頼むよりは高い確率で売れる可能性があるので、こうしたサービスを利用するという手もあります。

参考⇒山林バンク公式サイト

②山林売買ネットを活用する

こちらは提携している森林組合などと協力することで、売買のあっせんを行っているサイトです。
山林バンクは民間企業が運営していますが、山林売買ネットは森林組合と提供することで、より高いサービスを受けることができます。

さらに森林組合に管理委タックを任せることが出来るなどのメリットも存在します。
しかしあくまで提携している組合の管理下にある山林だけに限られるので、管理下にない山林の場合は難しくなります。

参考⇒山林売買ネット公式サイト

③地元の不動産屋に依頼する

あまり成功率は高くないですが、地元の不動産屋に売買や仲介を依頼する手があります。
地元の不動産屋と言っても、山林の付近に限られ、さらに大手では山林を取り扱っているところがほとんどないので、地元周辺のみを取り扱っていて古くからある不動産屋に依頼するといいでしょう。

不動産屋に依頼すると不動産流通機構に登録されるので、全国の不動産屋が情報を見ることができます。
もしかしたら、資材置き場などの目的で山林を買い取ってくれる可能性があるので、依頼するのも一つの手です。

しかしどの方法でも言えることですが、短期間で売れる可能性は低いので売れるまで数ヶ月、もしくは年単位の時間がかかることを覚悟しておいたほうがいいでしょう。

山林売買の際にかかる手数料と税金

山林売買には通常の不動産売買の際に発生する仲介手数料と、税金が発生する可能性があります。
可能性があると述べているのは、山林売買は通常の不動産売買とは違うので場合によって仲介手数が発生しない可能性があるのです。

山林売買の際に発生する仲介手数料

通常不動産の売買によって発生した不動産業者への仲介手数料は、地目に関係なく払わなければなりません。
しかしこの通常というのは、建物を建てるための土地として売買される場合に限ります。

つまり建物を建てる目的以外に取得する土地の場合は宅地建物取引業法の規制を受けないのです。

通常発生する仲介手数料については下記の通りになっています

売買価格が200万円以下の場合:土地の売買価格×5%×消費税
売買価格が200万円~400万円以下の場合:土地の売買価格×4%+20000円×消費税
売買価格が400万円以上の場合:土地の売買価格×3%+60000円×消費税

これは宅地などの土地を売買する時に発生する仲介手数料の計算です。
建物を建てない山林については、当事者同時の契約行為に委ねられるので、自由に手数料を決めることができます。

そのため、仲介手数料を無料にしてくれと頼めばもしかしたら無料にしてくれる可能性があるのです。
実際、山林売買の場合はⅠ万円でも売買契約を行うこともあり、その場合の仲介手数料は通常通り計算しても540円にしかなりません。
わざわざ540円だけを貰うのに領収書などを作るのも面倒だということで、仲介手数料をサービスしてくれるケースはいくつかあります。

山林売買にかかる税金

山林売買は樹木が生えている場合が多く、この樹木は伐採しての売買やそのままでの売買の両方が可能です。
基本的に土地と樹木は別に存在しているものとなっているので、立木がある場合は立木に対する山林取得と、土地に関する譲渡取得の二つに分けて考えられているのです。

その場合、片方に取得があれば一つだけの確定申告で済みますが、両方ともに取得がある場合は、それぞれ別に申告が必要になってくるのです。
そのため、売買契約の場合も立木と土地の部分の二つに分けて売却価格を設定しなければ、確定申告の際に申告が面倒になります。

立木の確定申告

山林取得が発生するのは、取得時から5年を経過した立木を譲渡した場合に限ります。
5年以内の売買では、事業として行ったのであれば事業取得、それ以外の場合は雑所得として申告することになります。

山林取得は分離課税となっていて、計算方法は以下のようになります。

収入金額-必要経費=山林取得
山林取得-特別控除=課税山林取得
※特別控除は最大50万円となっており、青色申告の場合は最大10万円が追加で控除することができます。

しかし山林の場合は相続で取得するケースが多いので、必要経費として計上できる額が不明な場合がほとんどです。
そのため相続前の両親が取得した時から15年以上保有した場合は、相続や贈与であっても特例が適用されるようになりました。

(収入金額-伐採・譲渡費用)×50%-伐採・譲渡費用=必要経費

この計算に、所得税率を用いて税額を計算します。

課税山林取得×1/5×所得税率×5=山林所得税額

このようにして山林所得税額も求めることができます。
最初は面倒だと思えますが、現在ではネットで数字を打ち込めば簡単に税額を算出してくれるサイトもあるので、活用すれば楽に確定申告ができます。

土地の確定申告

土地の譲渡取得も分離課税となっており、下記のように計算することができます。

譲渡収入-譲渡費用-取得費=譲渡取得
譲渡取得-特別控除額=課税譲渡取得
課税譲渡取得×譲渡取得税率(短期・長期)=譲渡取得税額

相続や譲渡で取得費が不明の場合は、譲渡収入の5%を取得費として計上することができます。
譲渡取得税額の短期と長期とは、山林の所有期間の違いであり、取得してから5年以内なら短期譲渡取得(39.63%)、5年以上ならば長期譲渡取得(20.315%)の税率が課せられます。
この所有期間は、被相続人の取得した時点からの起算になるので、多くの場合は長期譲渡取得になると思います。

山林売買まとめ

山林は用途が限られるため、需要がかなり少ない土地です。
一昔前は原野商法と言った、高値で山林を販売した詐欺が流行っており、両親が使う予定もない遠くの山林を持っていたというケースが意外なほど多くあります。

しかし一部を除いて山林は相場があってないようなものなので、売れたとしても数千円や数万円の価格だったといったケースは珍しくありません。
山林は高い金額で売れることを望むのではなく、買主希望者が現れたらそのチャンスを生かして、売るしかありません。

もし売買できたとしても、キチンと税金の確定申告を行わなければ、後々面倒なことになるので、税金の計算を行って届け出るようにしましょう。

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